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こんにちは。さくらキッズくりにっくの看護師です。
季節の変わり目となり、体調を崩されている方はいないでしょうか?
当院にも風邪症状で来院し、ゼーゼーしているお子さんも多くご受診されています。
これから梅雨の時期がやってきます。この時期は、気温や気圧の変化が大きく、湿度も高くなり、喘息の悪化を始め、様々な体調不良が起こり、喘息発作の原因になるダニやカビが多く発生し、喘息発作を起こしやすいため予防対策についてお話していきたいと思います。
喘息は空気の通り道(気道)がせまくなり、喘息発作を繰り返す病気です。喘息の人の気道は、慢性的な炎症があるために刺激に対して過敏な状態になります。そのため天候やダニ、カビなどのアレルゲンにも敏感に反応してしまい、喘息発作を繰り返します。喘息発作を予防するためには、苦しくない時も継続して気道の炎症を鎮めてくれる吸入ステロイド薬などの長期管理薬や定期的な受診が大切になります。
喘息発作を起こさないように・・・
◆体温調整を心がけましょう
喘息発作が一日の中で最も起こりやすいのは明け方といわれていて、就寝中は気道が狭くなるため発作が起こりやすいです。梅雨の時期は朝晩の寒暖差が大きいという特徴があり、急激な気温の変化が発作のきっかけになりやすいので、なるべく体温を一定に保てるように環境を調整しましょう。エアコンを使用する時は、設定温度は室外との温度差が5℃以内になるように一定にコントロールできるとよいですね。外出時には薄手の洋服を重ね着しておくと衣類による温度調整がしやすくなります。
◆冷えた室内に入る時にはマスクの着用も有効です
喘息のお子さんは、暑い屋外から、冷房が効いた室内に入った時など、冷たい空気を急に吸い込んで、気道が過敏に反応し喘息発作のきっかけになることがあります。マスクをすることで、気道が気温差の影響を受けにくくなり、湿気も適度に保てます。
◆こまめにお掃除と換気をしましょう
カビやダニを繁殖させない工夫、こまめなお掃除や換気が大切です。できれば毎日、少なくとも3日に1度は床掃除をしましょう。また、寝具類はダニが繁殖しやすいため、晴れた日には布団を干したり、布団乾燥機を活用する、掃除機を頻繁にかけるなどによりベッドや寝具は清潔に保ちましょう。
◆長期管理薬の継続や定期的な受診が大切です
喘息の発作要因は様々なアレルゲンをはじめ、たばこの煙や環境の変化からくるストレスなどの刺激も原因となります。こうした刺激を避けることも大切ですが、現実には難しいこともあるため長期管理薬(吸入ステロイドやオノン、キプレス、シングレアなどの内服薬)を継続し、発作を予防することが大切です。患者さんも発作が起きてすぐの時期などは薬を飲んだり吸入したりしますが、症状が落ち着いてきたり、元気に動き回れるようになると長期管理薬を忘れてしまうことがあります。ですが、喘息の治療で大切なことは、気道の過敏性を抑えることです。そのためにも適切な方法で吸入をし、内服薬を継続しお子さんの状態に合わせた適切な治療をしていく必要があります。喘息などの慢性疾患は長期に渡る内服管理が必要であり、大変なことや悩むことも多いかと思います。なにかお困りなことがありましたらお気軽に当院にご相談ください。
慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程修了、慶應義塾大学医学部 小児科、慶應義塾大学関連病院、慶應義塾一貫校校医、医療法人社団 育心会 理事長
医学博士、小児科専門医、小児科指導医