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新型コロナウィルス感染の流行により、2020‐2021年シーズン以降は、インフルエンザの流行は影を潜めています。先のブログでもご案内したとおり、2022年5月には南半球のオーストラリアで流行がみられ、今後インフルエンザが日本での流行も懸念されています。
12月7日現在、幸いインフルエンザは流行はしておりませんが、東京都感染症報告によると、少しずつインフルの患者さんがいらっしゃるようで、注意が必要です。
どんな病気
インフルエンザは風邪症候群の一つで、全身症状や高熱を伴う点が、他の風邪と異なります。症状が重く、感染力が強いのが特徴です。
感染経路は?
・飛沫感染:咳、くしゃみ、鼻水
・空気感染:咳、くしゃみで飛び散ったウィルスは長時間空気中に浮遊して空気感染を起こします。
症状は?
・発熱:急激に上昇する38度以上の発熱で発症します。一度熱が下がった後に、もう一度上がる二峰性の熱を認めることもあります。
・上気道炎症状:咳、鼻水、くしゃみ、食欲不振
・筋肉痛、関節痛、頭痛
・吐き気・腹痛、食欲不振
検査方法:迅速検査→鼻の奥の粘液をとって調べることができます。発熱後6時間で検査可能です。
治療は?
・飲み薬
タミフル:幼小児から高齢者まで幅広く使用されている。5日間内服します。発熱して48時間以内に内服すると症状が軽くなります。
ゾフルーザ:10kg以上で錠剤が飲めるお子さんに使用します。1回の内服で治療終了です。
・吸入薬
リレンザ:吸入ができるお子さんに、1回2吸入、1日2回、5日間吸入します。解熱しても5日間はしっかり吸入します。
イナビル:発熱して48時間以内に吸入開始すると症状が軽くなります。1回吸入して5日投与のタミフルと同等の効果が見られます。
熱せん妄について
インフルエンザによる熱せん妄(異常行動・言動)は、治療薬の服用にかかわらずよく見られる症状です。お子さんが、インフルエンザと診断された場合には、抗ウィルス薬の服用の有無にかかわらず、お子さんの行動に十分注意してください。
インフルエンザの出席停止期間について
乳幼児の場合:発症した後5日経過し、解熱後3日が経過している
学童期の場合:発症した後5日経過し、解熱後2日が経過している
日数の数え方は発症日は0日と算定します。
インフルエンザワクチンについて
ワクチンが発症予防に一定の効果があることは知られており、また、重症化予防も期待されています。副反応の頻度は10%程度で、接種箇所の発赤などの局所反応で、軽微です。
さくらキッズでは多くの患者さんにインフルエンザワクチンを接種しております。13歳未満で、他院で1回目のみ接種している方も、2回目のみ当院で接種することが可能です。Webにて予約を承っております。
ご不明な点がある方、Webで予約がとれなかったりあった場合には、さくらキッズにお問い合わせください。
慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程修了、慶應義塾大学医学部 小児科、慶應義塾大学関連病院、慶應義塾一貫校校医、医療法人社団 育心会 理事長
医学博士、小児科専門医、小児科指導医