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こんにちは、さくらキッズくりにっくの看護師です🌸
お子様の湿疹や乾燥肌など、様々な皮膚症状に対して処方されている
ヒルドイド(一般名:ヘパリン類似物質)ですが、美容目的としても使用されるため
処方される頻度が高く、必要性が低い軽症例にも処方されることが多々ありました。
このような現状を踏まえ、
2024年10月より選定療養対象の拡大によりヒルドイドの自己負担額が増額されます。
つまり、、、患者さんが先発品であるヒルドイドの処方を希望されると、
負担額が増えることになります(医師が必要と判断した場合などの例外あり)。
これまでヒルドイドを継続的に使用してきた患者さまの中には、自己負担額の増加や、
後発医薬品(ジェネリック)への切り替えに戸惑いを感じられる方もいるかもしれません。
今回は、ヒルドイドに関する基本的な情報や、自己負担額が引き上げられることとなった
背景をお話していきます。
【ヒルドイドってどんなお薬?】
ヒルドイドに含まれるヘパリン類似物質は、皮膚の保湿と血行促進を目的として
使用される成分です。皮膚の水分保持能力を高めることで乾燥を防ぎ、
健康な皮膚状態を維持するのに役立つとされています。
また、ヘパリン類似物質は皮膚のバリア機能を高めることで、抗炎症作用をもたらします。
実際に湿疹に対してヘパリン類似物質を塗布したところ、かゆみが緩和されたとの
研究データも出ています。
【子どもの自己負担も発生するの?】
子どもの医療費の無償化は、子どもたちが必要な医療を受ける際の経済的負担を軽減する政策であり、多くの自治体が取り入れている政策です。
世田谷区では0歳~18歳までの医療費助成制度がありますが、ヒルドイドが選定療養の対象となったことで、ヒルドイドを希望する場合には、同薬300gで約750円~780円ほどの自己負担が発生する場合もあります。
【後発品は安心?】
先発品には『ヒルドイドクリーム』『ヒルドイドソフト軟膏』『ヒルドイドローション』
『ヒルドイドフォーム』がありますが、後発品は様々な製薬会社から販売されています。
そのほとんどが開発から5~10年ほど経過しており、効果・効能や用法・用量も
ほぼ変わらず、安全性が高いおくすりです。
後発品もこってりクリームタイプや化粧水のようにさっぱりとしているもの。
泡タイプで垂れにくいものなど剤形は様々です。
お子さんが好むもの、ご家族がストレスなく塗りやすいものなどなど、、、
剤形によって有効性に違いはないため、ぜひ様々な剤形を試してみてください❕
【選定療養の対象拡大はヒルドイドだけではない!?】
2024年10月から施行されるのは、ヒルドイドを含む後発医薬品のある先発医薬品を
希望する患者さんに対する選定療養による一部自己負担を求める新たなルールです。
その対象は後発品のある1095品目の医薬品です。
【まとめ】
2024年10月からは、選定療養の対象拡大により、ヒルドイドを希望すると自己負担額が増えます。
今回の選定療養の対象拡大はヒルドイドだけでなく、多くの医薬品が対象となります。
医療費の負担を減らすためにも、医師と相談し、ご自身に合った薬を選びましょう。
さくらキッズくりにっくでは、お子さんの皮膚のトラブル以外のことでも、
様々なご相談をお受けしています。気になることがあればいつでもお声かけください。
慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程修了、慶應義塾大学医学部 小児科、慶應義塾大学関連病院、慶應義塾一貫校校医、医療法人社団 育心会 理事長
医学博士、小児科専門医、小児科指導医