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こんにちは。さくらキッズくりにっくの看護師です。
そろそろ小学校の入学に向けて、お忙しくなる頃だと思います。
入学直前に、接種していないワクチンがあった!とならないように、この機会に母子手帳を確認しましょう。
コロナ禍の今、予防できる病気はしっかり予防していきたいですね。
◎年長さん(就学前)に受けるワクチンって?◎
・MR(麻疹、風疹)ワクチン(公費)
・おたふくかぜワクチン(任意)
・百日咳予防のために三種混合ワクチン(DPT)(任意)
・ポリオ予防のために不活化ポリオワクチン(任意)
年長さんで接種できるワクチンは、ほとんどが任意のものになります。
任意なら受けなくてもいいんじゃない?と思われる方もいらっしゃると思いますが、任意でも、とても重要なワクチンのため接種をお勧めしています。
★おたふくかぜワクチン
おたふくかぜは、3〜6歳で罹りやすいとされています。入学に伴い多くの人と接する機会が増えると、そのぶんかかるリスクも高くなります。
おたふくかぜは合併症が怖い病気としても知られています。
その一つ、ムンプス難聴は、一時的ではなく元に戻りにくいものです。特にお子さんはうまく訴えることができず、発見が遅れるケースもあります。
おたふくかぜワクチンは、二回接種をすることで十分な免疫がつくとされています。
重症化しないためにも、小学校入学前までに二回接種をお勧めします。
★三種混合ワクチン
百日咳は、乳児期にワクチンを接種(現在は四種混合ワクチンとして接種しています)していても4〜5歳には免疫が低下し、学童期で感染が増加してしまっています。
2020年の報告で、年齢別で多かったのは7歳をピークとした5〜15歳の学童期のお子さんでした。
百日咳は、6ヶ月未満のお子さんが重症化しやすいと言われています。
お兄さん、お姉さんがかからないためにも、そして、小さいお子さんを守るためにも、年長さんになったら三種混合ワクチン(DPT)の接種をお勧めします。
★不活化ポリオワクチン
不活化ポリオワクチン(IPV)は、百日咳同様に、四種混合ワクチン(DPT-IPV)に含まれています。乳幼児期に定期接種で4回まで接種していますが、接種から時間が経つと抗体価が徐々に低下します。
国内ではポリオ患者の報告はほとんどありません。しかし、アジアを含む一部の国ではポリオ流行の報告がされており、旅行者などがウィルスを日本に持ち込むリスクがあります。
抗体価は、「5回目接種」により、低下した抗体価が再び上昇し、その後高く維持することができます。ポリオ発症(小児まひ)のリスクにさらされてしまわないように、5回目の接種をお勧めします。
⌘さくらコソコソ話⌘
年長さんで3種混合(DPT)と不活化ポリオ(IPV)を接種するなら4種混合(DPT-IPV)ひとつ接種で良いのでは?と思われた方がいらっしゃるかと思います。
現在、日本では4種混合は4回までの接種しか承認されておらず、5回目の接種は承認されていないため、3種混合とポリオを別々に接種する必要があります。
就学前準備に合わせて、予防接種の接種漏れがないように確認してみましょう。
ワクチン接種に関してご不安なことがある際には、母子手帳をご用意の上、ご相談ください。
慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程修了、慶應義塾大学医学部 小児科、慶應義塾大学関連病院、慶應義塾一貫校校医、医療法人社団 育心会 理事長
医学博士、小児科専門医、小児科指導医