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今ニュースでも話題になっていますが、お子さまたちの間で風邪がものすごく流行しており、薬局でも薬が足りないなどかなり大変な状況になってきています。
当院でも連日多くの患者様にお越しいただき、待ち時間が長くなってしまうこともあり、ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。そんな中でも私たちスタッフを気遣うお声すらいただき、ありがたい気持ちでいっぱいです。
今日は私たち小児科医がいつもどのような視点で診療をしているのか、知りたいことはなんなのか、ということについてお話ししていこうと思います。
🌸問診はとても大切
問診を先に記入していただいておりますが、私たち小児科医は病歴というものをとても大切にしています。自分で症状をうまく伝えられないお子さまだからこそ、ご家族からいただく情報がすべてになります。
発熱:発熱の定義は一般的に37.5℃以上になります。
いつから続いているのか、その間一日も平熱になったことがないのか、熱のピークはだんだん下がっているのか。体温記録表を記載いただくと便利です。
また発熱からの経過が短いと診断に必要な所見が揃っていなかったり、検査が有効にできないことがあります。発熱だけで比較的元気であれば、半日~1日ほど待って受診していただくほうが良いこともあります。
咳嗽・鼻汁:どんな咳がいつからか(乾いた咳なのか、それとも痰が絡むのか)、夜は咳で起きたり、咳き込んで嘔吐をすることがあるのか。また喘息のような音はないか。
時々変な咳をしますと教えていただくことがあります。クループの犬吠様咳嗽などは日中落ち着くこともありますので、気になる咳は録画していただけますと助かります。
腹痛:いつからどこを痛がるのか、排便状況はどうか(最終排便はいつか、下痢があるなら1日何回くらいか?)、食事は摂れているか。その他発疹や血便、血尿など、診察室内で確認できない可能性があるものに関しては、写真や動画で見せていただけると非常にありがたいです。
🌸お洋服はちゃんと開けて、お子さんをしっかり抱っこしてください
診察室内に入って来た段階からすでに診察は始まっています。いつものように元気に歩いて入って来るかな?おしゃべりしてくれるかな?
そんなことを観察しています。またご家族にも同じ症状がないかも診ていたりします。
お子さんのお洋服は一度ボタンを外すとまた着るのは大変かと思います。しかし着衣で見えない部分にも重要な情報は詰まっています。
一見元気そうに見えるお子さんが実はお洋服脱いだら呼吸がものすごく辛そうだったというのはよく経験することです。ご面倒ではありますが、特に小さいお子さんはしっかりとお洋服を開けていただけると助かります。
またなるべく恐怖心を与えないようにおもちゃであやしたり、声をかけながら診察しています。何度も辛い思いをしたり、余計な痛みがないよう、特に口や耳の診察時はしっかりとお子さんの身体を抱っこしてください。
🌸お薬手帳を見せて下さい。
お薬手帳はこれまでの治療歴が載っている大切なものです。特に他の病院でお薬をもらっている場合、処方内容が重複してしまう恐れもあります。
ご受診の際は必ずお薬手帳をご持参ください。
私も先日風邪を引き、休みたいのに咳で眠れない辛い日々を過ごしました。私たちが普段「風邪の特効薬はないから、少し治るまでに時間がかかるかもしれませんね。」と言っている裏にはこんな苦労があるんだなと改めて感じました。
中には「しょっちゅう来てしまってすみません。」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、私たちもお子さんたちがお元気かどうか確認できるほうが安心です。少しでも心配なこと、ご不安なことがあればいつでもご受診ください。お子さん、ご家族の不安が解消できるよう、丁寧かつスムーズな診療を心掛けてまいります。
慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程修了、慶應義塾大学医学部 小児科、慶應義塾大学関連病院、慶應義塾一貫校校医、医療法人社団 育心会 理事長
医学博士、小児科専門医、小児科指導医