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お子さんのお身体を観察していて、あれ?これってなに?前からあったかな?そう思うことはありませんか?
今日はお子さんによくある「首、頭の後ろのぐりぐり」についてお話しします。
🌸首や頭のぐりぐりの正体は?
お風呂に入って頭を洗っているときなど、頭の後ろや首に小さなぐりぐりを見つけることがあります。大きいときは1㎝以上だったり、何個も触ることがあるため、なにかできものが出来たのでは?と心配になる方もいらっしゃるかと思います。
実はこれ、ほとんどがリンパ節という、正常組織が腫れたものなのです。
🌸リンパ節とは?
全身に分布しているリンパ管の途中にあり、体を守る免疫に関する細胞が詰まっていて、感染などに対して免疫反応を起こす場所です。風邪を引いたり、怪我をしたりすると、近くのリンパ節が腫れます。乳幼児期から学童期はリンパ組織が発達する時期なので、健康なお子さんでも首回り、脇の下や鼠径部でも触れることがあります。
リンパ節が腫れる病気には
いわゆる風邪や怪我などの感染症に伴う反応性リンパ節腫大
EBウイルスによる伝染性単核球症
リンパ節そのものの感染である化膿性リンパ節炎
猫ひっかき病 BCG接種後のリンパ節腫大
川崎病
亜急性壊死性リンパ節炎
自己免疫疾患や免疫不全症 白血病や悪性リンパ腫
など様々な病気があります。ほとんどが腫れているリンパ節に関連する体の部分に起きている炎症が原因です(例えば右手に怪我をしていると右脇の下のリンパ節が腫れたりします)。白血病やがんなどを心配される方もいらっしゃいますが、頻度的にはそれほど多くはありません。
🌸ぐりぐりを見つけたら
お豆くらいの大きさだったり(私たちはよく小豆大と表現したりします)、指で触るとつるつるよく動くようであれば、正常なリンパ節の腫れの可能性が高く、あまり心配する必要はありません。ぐりぐりの近くに炎症や怪我がないか探してみましょう。もし気になるようであれば一度クリニックでご相談ください。なお1㎝を超える大きさ、発熱や痛みを伴う、短期間でどんどん大きくなるようであれば、全身の病気や悪性腫瘍の可能性もありますので、早めの受診をお勧め致します。
慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程修了、慶應義塾大学医学部 小児科、慶應義塾大学関連病院、慶應義塾一貫校校医、医療法人社団 育心会 理事長
医学博士、小児科専門医、小児科指導医