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こんにちは。
さくらキッズくりにっく看護師です。
冬になり、お子様の嘔吐や下痢症状で悩む親御さんが増えているように思います。親御さんから、「吐いてしまったんですが、大丈夫なんでしょうか?」「下痢がよくならないんですが受診した方がいいんでしょうか?」などのお声を頂くことが多くなってきました。
今回は、お子さんが嘔吐や下痢が続いている時に注意するポイントについてお話します。
🌸嘔吐と下痢は悪いこと?
嘔吐や下痢はなぜ起こるのでしょうか?そもそも、嘔吐や下痢は悪いことなのでしょうか?
嘔吐や下痢は、体の中に入ったウイルスを外に出そうとする体の働きのことです。そのため、嘔吐や下痢そのものが悪いことではありません。
胃腸炎は、嘔吐が1日や2日で収まり、その後下痢が続くという経過をたどることが多い病気です。経過の中で白っぽい便が出ることもありますが、ウイルスが外に出ているということなので、急いで受診する必要はありません。
🌸注意する点はなに?
嘔吐や下痢が続いているときに共通して注意して頂きたいことは、脱水症状がないかという点です。具体的には、以下の点に注意してください。
『脱水症状のチェックポイント』
①水分がとれていない
②おしっこが出ていない
③涙が出ない、唇が乾燥している
嘔吐が続いている時には上記に追加して、低血糖になっていないか、胃や腸に他の病気がないかという点です。具体的には、以下の点に注意してください。
①繰り返し激しい腹痛がある
②嘔吐したものの中に、血液が混じっている
③顔色がわるい状態が続き、ぐったりしている
🌸受診する目安は?
上記の症状がみられる際には必ずご受診してください。
また、下痢がないのに嘔吐だけが続いている時や、下痢が1週間など長引いている際にはご受診ください。
🌸ご自宅での過ごし方は?
嘔吐が繰り返されるときには、まずは絶飲食してください。2~3時間経過して嘔吐がない時には、水分を開始しましょう。
ポイントは、「少量ずつ頻回に」です。
嘔吐をしているお子さんは喉が渇き、水分を多量に欲しがることがあります。しかし、胃腸はまだ大量の水分を受け入れられる状況ではない為、多量の水分を与えてしまうと、再度嘔吐してしまうことがあります。そのため、水分は少量ずつ頻回に与えていきましょう。
まずは小さじ一杯からはじめ、10分おきに同じ量を2.3回与えて嘔吐がみられない時には、小さじ二杯、三杯と増やしていきましょう。50~100㎖飲んでも嘔吐がないようでしたら、おかゆやくたくたに煮込んだおうどんなどから少量ずつお食事も開始していきましょう。
水分は、経口補水液がのぞましいですが、難しい場合には飲めるものなんでも大丈夫です。ただ、水分だけをとっていると低血糖などの心配があります。そのため、糖分や塩分の入っているものを優先して選んでください。
麦茶しか飲まない!というお子さんには、ラムネやチョコなど糖分がとれるものを摂取するようにしましょう。
🌸嘔吐・下痢の時に控えた方がよい食べ物は?
①あぶらっこいもの
(揚げ物や脂身の多い魚や肉、マヨネーズ)
②乳製品
(チーズ、バター)
③いちごやみかんなどの酸っぱい果物
上記の食事は控え、お子さんの食べやすいもの、消化しやすいものを少量ずつ試してきましょう。
突然の嘔吐や下痢は、どうしたらいいのか迷ってしまうと思いますが、まずは落ち着いてお子さんの状態を確認しましょう。
いつも通り機嫌良く遊んでいるようなら、急いで受診する必要はありません。しかし、親御さんがご心配な場合には、ご受診ください。
また、お子さんの嘔吐や下痢はご家族にうつりやすいため、ハイターなどでの消毒をしてしっかりと予防をしていきましょう。
慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程修了、慶應義塾大学医学部 小児科、慶應義塾大学関連病院、慶應義塾一貫校校医、医療法人社団 育心会 理事長
医学博士、小児科専門医、小児科指導医