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みなさま、明けましておめでとうございます。
年末年始、いかがお過ごしでしたでしょうか?体調など崩されませんでしたか?
今年も地域の小児科クリニックとして、皆さまのお役に立てるよう努めてまいります!
お子さんの事故予防のための啓発活動として続けているこのシリーズも今回で9回目となりました。私たちの身の回りには、実は乳幼児にとって危険となり得るものがたくさんあるんですよね。
今回は2025年12月号の小児科学会誌に掲載された傷害速報をもとに、炊飯器による事故についてお伝えします。
🌸症例
8か月の赤ちゃん。
母親が1分間ほど目を離したところ、赤ちゃんの叫び声が聞こえました。駆けつけると赤ちゃんが炊飯中の炊飯器のそばで泣いていました。右手指の腫れとびらん(皮膚がただれた状態)を認めたため、救急外来を受診し、深達性Ⅱ度熱傷(皮膚の深い部分まで達するやけど)と診断されました。
🌸炊飯器の蒸気による熱傷の危険性
炊飯器から噴き出す高温の蒸気は、乳幼児にとって重大な熱傷の原因となります。赤ちゃんの皮膚は非常に薄いので、わずかな接触でも重篤な熱傷になる可能性があります。接触部位の多くは手のひらや指で、治癒後に瘢痕拘縮を生じ、手指の機能に影響が残ることもあります。場合によっては皮膚移植を要することも報告されています。
🌸家庭内での子供の熱傷事故
子どもの熱傷事故の多くは家庭内で発生し、特に2歳未満に多いとされています。原因としては熱湯や汁物などの液体、ストーブ、電気ポット、炊飯器が多く報告されています。
🌸対策
近年では、蒸気対策機能付き炊飯器が一部普及しています。
また、以下のような対策が有効です。
・台所への侵入防止柵を設置する
・炊飯器を子どもの手や目の届かない位置に置く
・電源コードを引っ張れないように固定する
・家電の転倒・落下防止を行う
お子さんが家電にぶつかったり、コードを引っ張ったりすることで、炊飯器が倒れて熱傷につながるケースもあるため注意が必要です。
どのご家庭にもある炊飯器ですが、重い後遺症につながる事故を引き起こす可能性があります。
特に自分で動けるようになる生後6-7か月以降のお子さんは、いろいろなものに興味を持つようになります。発達、発育にとってはとても大切なことではありますが、同時に様々な事故を起こしやすくなります。
常にお子さんから目を離さず見守ることは現実的に難しいため、まずはご家庭内に危険なところがないか、環境を整えることから始めましょう。
このような不幸な事故が起きないよう、これからも啓発活動を行っていきます!
滋賀医科大学医学部医学科 卒業、大津赤十字病院初期研修医、滋賀医科大学医学部付属病院 小児科、静岡県立こども病院 血液腫瘍科、聖マリアンナ医科大学病院 小児科助教
日本小児科学会 小児科専門医、日本血液学会認定 血液専門医、小児血液・がん学会、日本血栓止血学会