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お子さんの口の中を見たときに、あれ?これは何?このままにしておいて大丈夫?と思うものを見つけることがあります。今回はお子さんの口の中の不思議について、いくつかご紹介したいと思います。 🌸先天性歯 赤ちゃんの歯は一般的に生後4-6か月で生えてきますが、まれに生まれた直後や生後1か月以内に歯が生えてくることがあり、先天性歯と呼ばれています。グラグラしていることがあり、お母さんの乳首を噛んだり、抜けて誤飲をする可能性がある場合には抜歯しますが、そうでなけばそのまま様子を見ます。また舌にあたって潰瘍ができることがありますが、その場合には歯を丸く削ったり、抜歯をしたりします。 🌸上皮真珠 赤ちゃんの歯茎に数㎜大の白い塊が見られることがあり、真珠に似ていることから上皮真珠を呼ばれています。歯を形成する組織が吸収されずに残り、変化したものと考えられています。自然になくなるので治療の必要はありません。 🌸上唇小帯の異常 上唇小帯とは、上唇を引きあげた時に、唇の裏側と前歯の歯茎との間に付いているひだの部分をいいます。生まれたての赤ちゃんでは、比較的太く厚いものですが、成長するにつれて次第に細く薄くなり、位置もだんだん歯から離れていきます。 前歯が乳歯から永久歯に生え変わる時期(6歳ぐらい)になっても、前歯まで延びている場合には、手術をすることがあります。 赤ちゃんの間は様子を見ることになりますが、この部分の歯磨きがしにくいので、丁寧に磨いてあげて下さい。 🌸舌小帯短縮 舌小帯とは舌の裏にあるすじのことです。舌の動きをコントロールする役割があり、舌小帯が短いと哺乳や発語に影響がでたりします。具体的には浅飲み、哺乳に時間がかかる、頻回哺乳、乳首が切れやすい、乳腺炎を繰り返す、アイスクリームが舐められない、麺類がうまくすすれない、舌を出すとハート形になる、ラ・サ・タ行がうまく発音できないなどの症状があります。 舌小帯短縮や症状の程度によって手術の必要性や時期が異なります。また手術で切るだけでなく、うまく舌を動かすような機能訓練が必要な場合もあります。 今回はお子さんのお口の中の不思議についてお話しました。何か気になることがあれば一度ご相談ください。
慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程修了、慶應義塾大学医学部 小児科、慶應義塾大学関連病院、慶應義塾一貫校校医、医療法人社団 育心会 理事長
医学博士、小児科専門医、小児科指導医