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ようやく、つらい花粉症のシーズンが終わろうとしています。今年は早めに対策をしていたこともあり、私自身は例年に比べていくぶん症状が軽く感じられました。しかし、治療を受けているにもかかわらず、日常生活に支障を感じているお子さまもいらっしゃいました。そうしたお子さまに特におすすめしたいのが、「舌下免疫療法」です。
アレルギーの原因となるアレルゲンを少量ずつ体に取り入れていくことで、体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を軽減・改善することを目指す治療法です。
1日1回の内服を3~5年間継続することで、長期的な効果が期待されます。
副作用としては、口の中の違和感、腫れ、かゆみといった軽度のものから、まれにショックやアナフィラキシーといった重篤な反応が報告されています。
現在、舌下免疫療法の対象となるアレルゲンには「スギ」と「ダニ」があります。
まずは、スギまたはダニに対するアレルギーがあるか、舌下免疫療法が適応となるかを判断するために、検査を含め外来でご相談ください。
治療が適切と判断された場合は、治療開始日を決定します。初回の服用は、アナフィラキシーなどの副反応に備えて院内で行います。その後、問題がなければご自宅で服用を継続していただきます。
治療開始から1週間は少量の薬を服用し、1週間後に再診して問題がなければ、通常量に増量して治療を続けます。以降は月1回の定期受診となります。
ダニアレルギーに対する舌下免疫療法は年間を通じていつでも始めることが可能ですが、スギ花粉症に対する治療は、スギ花粉の飛散期を避けて通常6月以降に開始します。
しかし現在、スギ花粉症に使用する舌下免疫療法薬(初期量)の流通が非常に限られており、6月以降は治療を希望する方が増えるため、さらに入手困難になることが予想されます。
「今年こそは舌下免疫療法を始めたい」「つらいスギ花粉症を少しでも軽くしたい」とお考えの方は、ぜひお早めに外来を受診し、ご相談ください。
滋賀医科大学医学部医学科 卒業、大津赤十字病院初期研修医、滋賀医科大学医学部付属病院 小児科、静岡県立こども病院 血液腫瘍科、聖マリアンナ医科大学病院 小児科助教
小児科専門医、血液専門医