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以前のブログで便秘の改善には、生活習慣の見直しと食事療法が大切とお伝えしました。
今回は、便秘の薬物治療についてです。
薬物治療は①便塊の除去、②便秘の再発防止のための維持療法、になります。
1便塊の除去
グリセリン浣腸を行います。②の維持療法の薬を使用しても、便塊があると、いきんでも排便できなかったり、排便をしても肛門が切れてしまって痛くなることもあります。排便が滞り、腹部が張って、食事量が少なくなるなどの症状がある場合には、便塊の除去のために浣腸を使用します。
2維持療法
食事療法、生活習慣の見直しをしても、便秘が解消されない場合には、再発防止のために薬物治療を行います。
代表的な小児便秘症の維持療法に使用される薬剤は以下の通りになります。
①浸透圧性下剤:腸内に水分を引き込むことで便を軟化させます。 水分を十分に摂った方が効果が得られやすいです。
(1)塩類下剤:酸化マグネシウム
効果が確実で、安全性が高く、薬による慣れが生じにくいとされているため、幼児や学童ではよく使用します。
(2)糖類下剤:マルツエキス
腸から吸収されない特殊な糖でできています。甘くて飲みやすいですが、効果が不安定です。乳児期に使用します。
(3)高分子化合物:ポリエチレングリコール(モビコール)
液体に溶かして飲む為、錠剤や粉薬が苦手な子どもでも飲みやすい。2歳以上のお子さんに使用します。
②刺激性下剤:上記の浸透圧性下剤で効果が得られない場合には、刺激性下剤を加える、または切り替えることがあります。
(1)ビコスルファートナトリウム(ラキソベロン):無味無臭で飲みやすく、量が微調整できることが特徴で、乳幼児期に使用します。
便秘を解消して快便習慣を維持するために、生活習慣、食事療法、ときに薬物療法を行います。お子さんが便秘かもと思われたら、どうぞご相談ください。
慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程修了、慶應義塾大学医学部 小児科、慶應義塾大学関連病院、慶應義塾一貫校校医、医療法人社団 育心会 理事長
医学博士、小児科専門医、小児科指導医