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子どもの心雑音とは? -健診で言われたときの考え方と受診の目安-

こんにちは、さくらキッズくりにっくの医師です 🙂 

健診や診察のあとで「お子さんに心雑音があります」と言われると、「心臓の病気なの?」「すぐに病院へ行った方がいいの?」と不安になりますよね。

今回は、そんな親御さんの不安を少しでも和らげるために、「心雑音」についてわかりやすくご説明します。

 

🌸心雑音って、どんな音?

心臓は、全身に血液を送り出すポンプのような臓器です。

聴診器で心臓を聞くと、「ドッ・クン、ドッ・クン」という規則正しい音がします。

これは、心臓の弁が閉じるときの音です。

その間に「ザーッ」や「シュッ」といった音が混ざることがあります。

これを心雑音と呼びます。

 

心臓や血管に狭い部分や穴があると、そこを血液が勢いよく通るときに雑音が発生します。

そのため、心雑音は心臓の病気のサインであることもありますが、必ずしも異常というわけではありません。健康な心臓でも起こることが多いのです。

 

🌸子どもの3人に1人は「無害性心雑音」

実は子どもの約10-30%に、心臓の構造や働きに問題がなくても心雑音が聞こえます。

これを「無害性心雑音」または「機能性心雑音」といいます。

子どもの体は大人よりも心臓が近く、血流も速いため、ちょっとした流れの音が聴診器に届きやすいため、心雑音として聞こえることがありす。

また、熱があるとき、運動した後や泣いた後で心拍数が速いとき、姿勢を変えたとき、貧血のとき、生まれて間もない赤ちゃん、などに聞こえやすくなります。

このような雑音は、一時的に聞こえるだけであったり、成長とともに自然に消えることがほとんどです。早いお子さんでは数ヶ月、長くても小学生ごろまでには聞こえなくなることが多いです。つまり、心雑音が聞こえても病気とは限らないのです。

 

🌸心臓の病気による「病的心雑音」

心臓に小さな穴が開いていたり、弁の動きが悪かったりする場合、そこを血液が通過するときに雑音が生じます。これを病的心雑音と呼びます。

病的心雑音をきっかけに、様々な先手性心疾患や後天性心疾患が見つかる場合があります。

代表的な先天性心疾患には以下のような病気があります。

 

心室中隔欠損症(VSD):左右の心室を隔てる壁に穴が開いている状態

心房中隔欠損症(ASD):左右の心房を隔てる壁に穴が開いている状態

動脈管開存症(PDA):生まれてから閉じるはずの血管が開いたまま

肺動脈狭窄症(PS)・大動脈弁狭窄症(AS):血管や弁の狭い部分を血液が通る際の雑音

 

こうした病気があっても、最近では医療の進歩によりほとんどの子どもが成人し、元気に生活できるようになっています。

早期発見・適切な治療がとても大切です。

 

🌸心雑音を指摘された場合の受診の目安は?

心雑音の多くは病気ではありませんが、まれに心臓に小さな穴が開いていたり、弁の動きが悪かったりすることもあります。

そうした心臓の病気を早期に見つけるために、多くの施設では心エコー(超音波)検査を行います。

心雑音のみを指摘されて、他の症状がなく元気な場合は慌てなくても大丈夫です。受診の目安は以下の通りです。

  • 生後3か月未満なら30日以内
  • 生後3〜6か月なら90日以内
  • 6か月以降なら90日以降

検査の結果、心臓に異常がなければ、それ以降の経過観察も不要なことがほとんどです。

 

🌸こんな症状があれば早めに相談を

普段は元気でも、もし次のような様子があるときは早めに小児科を受診してください。

  • ミルクを飲む量が少ない・疲れやすい・飲むのに時間がかかる
  • 息が速く、苦しそうに見える
  • 体重がなかなか増えない
  • 顔色や唇が青白い
  • ぐったりしている

こうした場合は、心臓に関係する症状の可能性があります。 早めに医療機関を受診しましょう。

 

🌸専門医に相談するには

紹介状がある場合は、指示された病院の小児循環器専門医の外来を受診してください。

「小児循環器科」「循環器外来」と表示されている病院では、子どもの心臓を専門に診る医師が、診察と心エコーなどの検査を行い、無害性心雑音かどうかを判断します。

 

心臓の病気を確認するためには、必要に応じて以下のような検査を組み合わせて行います。

 心臓超音波検査(心エコー)
 心臓の構造や血液の流れを詳しく観察します。痛みはなく安全です。

 心電図検査
 心臓の電気的な働きを確認し、不整脈の有無などを調べます。

 胸部レントゲン
 心臓の大きさや形、肺への血流の状態を確認します。

 

🌸最後に

「心雑音があります」と言われた多くのご家族が不安を感じると思いますが、実際には多くが成長とともに消える正常な雑音です。

ただし、まれに心雑音から心臓の病気が見つかることもあるため、健診や専門医のフォローはとても大切です。

もし気になることがあれば、いつでもご相談ください。

 

💙まとめ💙

  • 子どもの3人に1人は、病気ではない「無害性心雑音」
  • 症状がなければ慌てず、案内に沿って受診を
  • ミルクの飲みが悪い、呼吸が苦しそう、体重が増えない、顔色が悪いなどの症状がある場合は、早めの受診を
  • 心エコーで異常がなければ、心雑音があっても心配なし
  • 不安なときは、かかりつけ医・小児循環器専門医へ
院長 松岡 明希菜
記事監修
院長 松岡 明希菜

滋賀医科大学医学部医学科 卒業、大津赤十字病院初期研修医、滋賀医科大学医学部付属病院 小児科、静岡県立こども病院 血液腫瘍科、聖マリアンナ医科大学病院 小児科助教

日本小児科学会 小児科専門医、日本血液学会認定 血液専門医、小児血液・がん学会、日本血栓止血学会

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