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3月1-7日は子ども予防接種週間です。 年度末に近づき、新生活への期待が膨らんでいるお子さまも多くいらっしゃるかと思います。当院にも入園前健診にいらっしゃる方が増えてきました。 毎年この時期に、予防接種の必要性を高める必要があることから、日本医師会を中心に子ども予防接種週間を実施し、広報・啓発に取り組んでいます。入園・入学準備の一環として、ぜひ母子手帳を見ていただき、打ち忘れているワクチンがないか確認してみてください。 特に年長さんで忘れてはいけないのが麻疹風疹ワクチン(MR)の2期の予防接種です。公費で受けられるのは、世田谷区では就学前1年間の3月までとなっております。 またこの時期公費ではありませんが、小児科学会が推奨している任意接種のワクチンがあるのでご紹介します。 ・三種混合(DPT):小学校入学後の百日咳患者さんが増えています。百日咳はお子さんがかかると重症化しやすい病気です。赤ちゃんのころに4種混合ワクチンを接種していますが、抗体低下による百日咳感染を予防するために、海外では就学前と二種混合ワクチン接種時期に三種混合ワクチン(DPT)接種が行われています。日本ではまだスケジュールの変更がされていませんが、任意接種として推奨されています。 ・不活化ポリオ:不活化ポリオワクチンは、現在四種混合ワクチンに含まれ、定期接種で4回目接種までは行われています。接種から時間がたつと、抗体価が徐々に低下し、再びポリオ発症のリスクにさらされます。この抗体価は5回目接種により高く維持することができ、欧米諸国の多くでは、小学校入学前に追加接種が実施されています。 ・おたふくかぜワクチン:おたふくかぜばかかっても軽症の場合が多いですが、一部無菌性髄膜炎や、約1000人に1人の割合で一生治らない重度の難聴などの合併症を起こすことがあります。1歳で1回、1回目の接種後2-6年で2回目を接種します。MRワクチンと一緒に受けるのがおすすめです。 コロナ禍での受診にご心配があるかと思いますが、ワクチン接種や乳幼児健診などはお子さまの健やかな成長のために欠かせないものです。当院ではクリーンタイムを設け、感染症のお子さまとはお時間を分けての診療を行っています。ぜひ、そちらのお時間帯をご利用ください。 なお、予防接種・乳幼児健診の予約はWebでも可能です。また入園前健診も行っております。接種期間などわからないことがあれば、電話でお問い合わせください。
慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程修了、慶應義塾大学医学部 小児科、慶應義塾大学関連病院、慶應義塾一貫校校医、医療法人社団 育心会 理事長
医学博士、小児科専門医、小児科指導医