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6月に入り、いよいよ梅雨の季節ですね。
この時期は湿度や気圧の変化により、喘息の症状が悪化しやすくなります。今回は、そんな梅雨時に注意したい「喘息発作のサイン」についてお話しします。
喘息は、気道に慢性的な炎症が起き、発作的に気道が狭くなることで咳や呼吸困難を繰り返す病気です。
発作のきっかけ(誘因)としては、以下のようなものがあります:
アレルゲン(ハウスダスト、ダニ、花粉など)への感作
感染
煙や大気汚染などの刺激物質
気温・気圧の急な変化
梅雨の時期は、室内の湿度が高まりダニやカビが繁殖しやすくなるうえ、気圧の変化も多いため、喘息の発作が起こりやすい季節といえます。
喘息では、特に息を吐くときに「ヒューヒュー」や「ゼーゼー」と表現されるような特徴的な呼吸音(喘鳴)が聞こえることがあります。
喘息の診断には、この呼吸音の確認が重要ですが、ご家庭では気づきにくかったり、病院での診察時には症状が出ていないこともあり、診断に時間がかかってしまうケースもあります。
気になる呼吸音を認めるときは、スマートフォンなどで録音しておくと、診察時の参考になることがあります。
呼吸音の異常だけでなく、以下のような身体の変化が見られた場合も、喘息発作のサインである可能性があります。
お子さんの様子をよく観察してみてください。
・息を吸うときに胸や首のあたりがペコペコと凹む
・息を吸うときに小鼻が開く(鼻翼呼吸)
・息を吐くほうが吸うよりも明らかに時間がかかる
・唇や爪の色が白っぽくなる
・横になって眠れない、苦しそうにしている
次のような症状が繰り返される場合も、喘息の可能性を考慮しましょう。
・咳や「ヒューヒュー・ゼーゼー」といった呼吸音が何度も出る
・夜間や早朝に咳き込む発作が起こりやすい
・風邪を引いたあとも咳が長引く
・運動後や大笑いなどにより咳や呼吸異常音が誘発される
・3歳を過ぎても繰り返し発作が起きる
・発作時に気管支拡張薬や吸入ステロイドがよく効く
喘息は、適切な管理によって十分にコントロールできる病気です。
発作のサインに早く気づくことで、早期に治療を開始することができます。
今回ご紹介したサインをヒントに、喘息発作ではないかとご心配な際にはぜひご相談ください。
滋賀医科大学医学部医学科 卒業、大津赤十字病院初期研修医、滋賀医科大学医学部付属病院 小児科、静岡県立こども病院 血液腫瘍科、聖マリアンナ医科大学病院 小児科助教
小児科専門医、血液専門医