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痛くない!喉の写真で診断するインフルエンザ検査を始めました!

10月からインフルエンザの流行が世田谷区内でも報告され、現在もまだ流行が収まる兆しは見えていません。毎年この時期になる とお子さんたちは鼻を手で押さえながら、「けんさ、しない?」と不安そうな表情で診察室に入ってこられます。お子さんたちが怖がっているのは、あの鼻から綿棒を入れる、大人でも痛いインフルエンザの検査です。あれ、私も発熱をすると自分でやりますが、相当痛いですよね。なるべく回数が少なくて済むように、12時間以上経過してから行う、ゆっくり入れるなどの工夫はしておりますが、それでも痛いものは痛い 😥 

そんなお子さんたちに朗報です✨

当院ではこの度、喉の写真を撮ることでインフルエンザの診断ができる検査機器「nodoca」を採用することになりました!

🌸nodocaとは

咽頭後壁(のどの奥)の写真を専用のカメラを使って撮影し、AIがインフルエンザかどうか判定するという新しい検査機器です。お口を大きく開けるだけでそれほど奥まで入れなくても大丈夫なので、痛みや不快感はほとんどありません。

大規模な臨床試験の結果、従来の検査と比較してnodocaは同等の診断能力を持つことが証明されています。またこれまでの検査よりもより早くても(発熱から12時間以内であっても)診断をすることができます(感度は約80%)。

🌸注意点

nodocaは診断において優秀というだけでなく、発熱初日から診断でき、またなによりお子さんの検査の負担や恐怖心を減らせるというメリットがあります。

ただしいくつか注意点があります。

適応年齢は6歳以上です。
nodocaの有効性と安全性が確認されているのは、6歳以上です。

発熱後48時間以内に限ります。

発症してから48時間(丸2日)以上経過すると、のどの所見が変化してしまい、正確な診断ができない可能性があります。そのため、発症から48時間以上経過している場合は、nodocaでの検査はできません。

咽頭後壁(のどの奥)を撮影するため、しっかり口を開けてもらう必要があります。

AIが正確に診断するためには、のどの奥(咽頭)の画像が不可欠です。

何名かお子さんに試しているのですが、カメラをお口に入れる際に、怖がって固く閉じてしまう、舌が上がってのどの奥が全く見えないという場合があります。

このような場合には、残念ながらnodocaでの検査はできません。

大きく口を開けて「あー」と声を出す、口を開けたまま息を吸ったり吐いたりする、あくびをしてみる、などお家で鏡を使って練習してみてください。

下の写真の→の部分が見えれば大丈夫です。

インフルエンザの「型(A型/B型)」は分かりません。
nodocaはでは従来の鼻の検査キットのように、「A型」か「B型」かを区別することはできません。(いずれの型であっても、お薬や、登園・登校停止期間などの対応は基本的に変わりませんので、診断上の大きな問題はありません。)

🌸当院でのnodoca検査の流れ

通常通り医師の診察の後、インフルエンザ検査の必要があり、対象年齢および発熱からの時間などを加味し、nodoca検査が妥当であると判断した場合に実施します。

当ブログを見て、nodocaでの検査をご希望の場合は、その旨を担当医にお伝えください。

ただし上記の注意点の通り、ご本人、ご家族がnodocaをご希望されても実施できない場合もあります。またnodocaを試しても有効な検査が出来なかった場合には、医師の判断によって従来の鼻から行う検査に変更、あるいは翌日以降に追加する場合もあります。

「痛くない検査」を希望されて来院されたにも関わらず、従来の検査をお願いする可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

院長 松岡 明希菜
記事監修
院長 松岡 明希菜

滋賀医科大学医学部医学科 卒業、大津赤十字病院初期研修医、滋賀医科大学医学部付属病院 小児科、静岡県立こども病院 血液腫瘍科、聖マリアンナ医科大学病院 小児科助教

日本小児科学会 小児科専門医、日本血液学会認定 血液専門医、小児血液・がん学会、日本血栓止血学会

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