問題行動って、誰にとっての問題?|世田谷区、桜新町の小児科|さくらキッズくりにっくのブログ

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問題行動って、誰にとっての問題?

 

「問題行動があって困っているんです」「学校の先生から問題行動があるって言われて受診を勧められました」と発達外来に来られる親御さんがいます。

こんにちは、さくらキッズくりにっくの藤井です。主に発達外来の診療を行っています。

発達外来では多くのお子さんの気になる行動について相談を受けます。親御さんから問題行動として挙げられるのには、様々なものがあります。

授業中に落ち着きがない、順番を待てない、整理整頓ができない、人の話を聞けない、親の言うことを聞かない、宿題をしない、嘘をつく、夜更かしをする、朝起きれない、ゲームがやめられない、趣味ばかりしている、、、、年齢によっても内容はさまざまですが、あげたらキリがありません。

これらの行動があって困っている、これらは問題行動だからどうにかならないかと、相談されることがよくあります。

その時に外来で確認するのは、誰にとっての問題なのかということです。お子さんにとってどうしても減らしたい行動なのに、やめられず苦しんでいるのか。お子さんは困っていないように見えるけれど、親御さんにとってその行動がどうしても気になってしまって、減らずに困っているのか。お子さんも親御さんも、その行動があることで互いに困っているのか。

私自身は小児科医なので、お子さんの笑顔のために仕事をしています。もし、お子さん自身がご自身のことで困っていて、どうしても減らしたい行動だけれど、やめられないということがあれば、一緒に対処法を考えていきたいと思っています。と言っても、行動がすぐに変えられるようなミラクルな魔法のような方法はないので、地道に一緒に対処法を考えます。

時々、やる気が起きないから、どうにかしてほしいとお話ししてくれる受験生もいます。やる気スイッチがあるのではなくて、少しでも行動することでやる気スイッチのエンジンがかかるのだよと、まずは理想となる行動変化の100分の1でも良いので、1歩踏み出すことを提案しています。なんだそれだけって思う子もいるかもしれませんが、千里の道も一歩から、まずは相談をさくらキッズにしてみたというだけでも、大きな一歩だと思っています。その勇気と行動力が自分自身にあったことを、ご自身で、また親御さんもともに認めることが大切だと思っています。

では、お子さんは困っていないように見えるけれども、親御さんが困っている場合にはどうするのか。これもお子さん、親御さんによって細かい対応は違います。周りから見たら困っていないように見えても、お子さん自身は本当は困っている場合もあります。でも、どうして良いかわからない。親から注意されても、行動が変わらない子供自身は、親御さんほど困っていないように受け止められてしまっている場合もあります。そういう場合には、お子さんの困りごとと、親御さんの困りごとをまずは整理します。これは、アドラー心理学でいう「課題の分離」です。

親子とはいえ、互いに別の人格を持った一人の人間です。まずは、お子さん自身の課題、親御さん自身が感じている課題の整理が大切です。ひょっとしたら、親御さんがいくら頑張っても、お子さんが一向に変わらないのは、親御さんのその頑張り、良かれと思って行っている声かけなどの行動は、お子さんにとっては逆効果なのかもしれません。本当は、お子さん自身が向き合わなければ(または、いつか向き合う問題なのに)親御さん自身が先取りしているっていうこともあります。

すぐに行動変化を起こすのは難しいかもしれませんが、発達外来で医師や、時に心理士に話をすることで、解決の糸口が見えることがあります。さくらキッズの働きを通して、お子さんも、親御さんも笑顔で過ごせる時間が増えることを願っております。

 

院長 三井 俊賢
記事監修
院長 三井 俊賢

慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程修了、慶應義塾大学医学部 小児科、慶應義塾大学関連病院、慶應義塾一貫校校医、医療法人社団 育心会 理事長

医学博士、小児科専門医、小児科指導医

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