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前回は夜尿症に対する生活改善についてお話ししました。
生活改善をしてもなかなか夜尿卒業とならない場合には、治療をします。
治療方法には薬物療法とアラーム療法があります。
今回は薬物療法についてお話します。
夜尿症の薬はいくつか種類がありますが、現在多く使用されているのは、抗利尿ホルモン薬です。尿の量の調節や、体内の水分の調節をしているバソプレシンというホルモンがあるのですが、それによく似た成分のお薬です。このお薬は、尿を濃縮するので、尿量を減らす働きがあります。
このお薬は夕食の2~3時間後、寝る30~60分前くらいに内服します。お水なしで飲むお薬です。すると、寝ているあいだにつくられる尿量が減ります。
このお薬は、尿量を減らすとともに、体内に水分を溜めこむ働きもします。ですから、薬を飲む2~3時間前から翌朝までの水分摂取を控える必要があります。もしもたくさんのお水を飲んだうえでこの薬を飲むと、水中毒という症状をひきおこすことがあります。水中毒のときには、体内に水分が溜まりすぎてしまい、低ナトリウム血症となります。もしも水分をたくさんとってしまったなら、内服をやめましょう。また、熱が出たり胃腸炎にかかったりして、いつもよりも水分をしっかり摂る必要があるときには、このお薬の内服は中止します。
夜尿症のお薬は、抗利尿ホルモン薬以外にも、膀胱の緊張をとるお薬や漢方薬などもあります。症状に合わせて使い分けたり併用したりします。
次回は、アラーム療法のお話をします。
さくらキッズくりにっく
(世田谷区桜新町の小児科)
慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程修了、慶應義塾大学医学部 小児科、慶應義塾大学関連病院、慶應義塾一貫校校医、医療法人社団 育心会 理事長
医学博士、小児科専門医、小児科指導医