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「離乳食にハチミツを使ってもよいですか?」
「離乳食に黒糖を入れてもよいですか?」
外来で離乳食のご相談を伺うこともよくあります。
今日は1歳未満の乳児に「ハチミツ」をあげてはいけない理由についてです。
ボツリヌス症の原因になることも
ハチミツの中にはボツリヌス菌の芽胞が入っている場合があります。
ボツリヌス菌芽胞は熱に強く、菌種によっては100度で10分加熱しても殺菌出来ません。
生後1歳未満の乳児は腸内環境が未熟な為、ハチミツにボツリヌス菌の芽胞が混入していた場合、菌が腸内で増えて「乳児ボツリヌス症」を起こすことがあります。
加熱してあったとしてもハチミツ入りのお菓子や飲み物は赤ちゃんに与えないように気を付けて下さい。
ボツリヌス症の症状
ハチミツやハチミツ入りの食べ物を食べて、ボツリヌス菌の摂取後、3から30日経過してから発症することが多いです。
便秘、全身の筋力低下、脱力状態、哺乳力の低下、泣き声が小さくなることがあります。特に、お顔が無表情となり、首の筋肉が弛緩することにより頭を支えられなくなるといった症状が見られた場合は、速やかに受診をして下さい。
ハチミツ以外にも気をつけたいもの
ハチミツの他にも黒糖、自家製野菜スープ、コーンシロップ、井戸水なども乳児ボツリヌス症の原因になる可能性があります。基本的には土壌や河川・海など、広く自然界に含まれている菌なので、赤ちゃんが口にするものには常に注意が必要です。
1歳以上になったらどうするの
生後1歳以上になると離乳食等により腸内環境が整う時期になるので、ハチミツを避ける必要はありません。ハチミツは栄養価の高い食品ですが、赤ちゃんの具合が悪くなってしまう危険性は高いと言われているので、離乳食が始まる前は特に注意をしたいですね。
さくらキッズくりにっくでは、乳児期の育児について相談することが可能です。
健診などの際に、お困りごとなどお聞かせください。
一緒にお子様が健やかに過ごせるようにお手伝いいたします。
慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程修了、慶應義塾大学医学部 小児科、慶應義塾大学関連病院、慶應義塾一貫校校医、医療法人社団 育心会 理事長
医学博士、小児科専門医、小児科指導医