こどもの身体 これってなぁに? お耳のトラブル|世田谷区、桜新町の小児科|さくらキッズくりにっくのブログ

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こどもの身体 これってなぁに? お耳のトラブル

一般診療や健診の中で、親御さんからお子さんの耳についてご質問をいただくことがあります。耳掃除はどのくらいの頻度でしたほうがよいのか、耳をよく触る、耳垂れがあるなど、様々なトラブルがありますよね。

そこで本日はお子さんのお耳のトラブルについてのお話です。

 

🌸ずばり、耳垢はとるべきか!

耳垢とは耳垢腺や皮脂腺からの分泌物と、古くなった皮膚やほこりなどが混じったものです。この分泌物には通り道を保護したり、殺菌をしたりと大切な役割があります。

外耳道には自浄作用があり、耳垢は自動的に外に排泄されるようになっています。ですので耳垢はおうちで頑張って取る必要はありません。無理して耳掃除をしすぎると、外耳を傷つけて外耳炎になってしまうこともあります。

ご家庭では無理のない範囲で、外耳に見えている汚れをやさしくとる程度で大丈夫です。

 

🌸お子さんに多い耳のトラブル

耳が臭い:特に赤ちゃんに多いお悩みです。赤ちゃんはもともと耳垢ができやすいと言われています。耳垢には耳垢腺や皮脂腺からの分泌物を含んでおり、またそこにミルクやよだれなどの汚れも重なって、嫌な臭いがすることがあります。まずは優しく耳を拭きとってあげてください。

耳がじゅくじゅくしている:耳漏が出ている場合には、外耳炎や中耳炎になっている場合があるので病院を受診してください。外耳の皮膚に炎症を起こしていてじゅくじゅくしている場合もあり、その場合は塗り薬で改善できることもあります。

・耳をよく触る:お子さんはよく耳を触ります。単に手の届く範囲にあるため触りやすかったり、耳を触ると気持ちよかったり、そこに穴があるから指を入れてみたり。いろいろな理由があるかと思いますが、ただ触っているだけであれば様子を見ていただいて大丈夫です。

・外耳炎、中耳炎:お子さんは鼻・口と耳をつなぐ耳管が太く短い、耳からのどまでの傾斜がゆるやか、頻繁に風邪をひくなどの理由から細菌やウイルスが耳に侵入しやすいため、外耳炎や中耳炎を起こしやすいです。

・耳垢栓塞:耳垢がたまりすぎると固まって外耳道をふさぎ、耳垢栓塞になることがあります。そうなると聞こえが悪くなったり、圧迫感や耳鳴りがすることがあります。特にお子さんは外耳道が狭いので詰まりやすく、また耳掃除の際にかえって耳垢を中に押し込んでしまうことがあり、耳垢栓塞になりやすいと言われています。

 

🌸こんなときは受診を!

発熱や耳の痛み、耳漏がある、聞こえが悪い、耳鳴りがするなどの症状があれば、一度病院を受診してください。

 

🌸小児科なの?耳鼻科なの?

これもよく聞かれます(眼科なの?整形外科なの?バージョンもあります)。

発熱やそのほかの風邪症状を伴っている場合、まずは小児科の受診でよいでしょう。

ただ小児科には耳鼻科で使うような器具がありません。耳垢栓塞や耳漏がたまって中耳が見えにくい場合には、耳鼻科的な処置が必要になることがあります。その場合には耳鼻科を受診していただくようにお伝えしています。

 

今回は耳掃除の頻度や受診の目安などを簡単にご紹介しました。お子さんの場合、耳を観察すること自体が難しいこともありますので、ご心配なことがあれば一度診察にお越しください。

院長 三井 俊賢
記事監修
院長 三井 俊賢

慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程修了、慶應義塾大学医学部 小児科、慶應義塾大学関連病院、慶應義塾一貫校校医、医療法人社団 育心会 理事長

医学博士、小児科専門医、小児科指導医

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