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4月から集団生活を始めたお子さんたちが、鼻水や咳、発熱などの風邪症状でくりにっくにいらっしゃることが増えてきました。お子さんたちが風邪を引くのはよくあることですが、ご家族のご負担やご心配は尽きませんよね。 お子さんたちは小さな風邪をたくさんひくことで、だんだん免疫がついていき、身体が強くなっていきます。実際に去年あんなに外来でお会いしていたお子さんたちが、今年はあまりお会いしなくなったなと少し寂しくも成長を感じることも多いです。
熱を出すことがあまり珍しくないお子さんの中でも、特に発熱を繰り返すお子さんがいらっしゃいます。それも風邪症状を特に伴わず、ある一定の期間をあけて熱を出すのです。今日はちょっと聞きなれない名前の病気をご紹介します。
・周期性発熱・アフタ性口内炎・咽頭炎・リンパ節炎症候群(PFAPA)
<原因と症状> 主に2-5歳の乳幼児に発症する、原因不明の病気です。男の子に多いとも言われています。通常3-6日間続く発熱を3-8週毎(約28日毎)に繰り返し、発熱のない間は元気に過ごしています。発熱と同時にアフタ性口内炎、咽頭炎、リンパ節炎などの症状を伴いますが、鼻汁・咳嗽などの感冒症状はあまり目立ちません。
<診断> これまでの発熱の経過と症状などで総合的に判断します。 同じような症状が見られる病気として周期性好中球減少症があります。血液検査をしてこの病気でないことを確認する必要があります。
<経過と治療> 特に決まった治療はありませんが、発熱発作時のステロイドや、ヒスタミンH2受容体拮抗薬であるシメチジン、ロイコトリエン拮抗薬が一部のお子さんに有効であるとされています。また扁桃摘出術は70%ほどの有効性があると言われています。 しかし多くのお子さんが基本的には治療を要さず、4-8年の経過で自然に治癒し、特に成長や発達には影響はありません。
うちの子ひょっとしてPFAPAかな?こんなに風邪ばかり引いて大丈夫?こんなことで受診してもいいの?しょっちゅう受診してすみません、という声をよく聞きます。 大丈夫です!ご心配なことがありましたらいつでもくりにっくをご受診ください。
このくらいなら大丈夫、こうなったらまた様子見せてください、お薬を調整しましょうなど、お子さんの状態に合わせて、お話しをさせていただきます。
慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程修了、慶應義塾大学医学部 小児科、慶應義塾大学関連病院、慶應義塾一貫校校医、医療法人社団 育心会 理事長
医学博士、小児科専門医、小児科指導医