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今日は、「自家中毒」について書こうとおもいます。中毒と聞くと、何かの食事による中毒?と思われる方もいるかもしれませんが、食中毒とはちがいます。
どんな病気なの?
これは、嘔吐を繰り返す病気の一つです。1歳半から10歳くらいの比較的やせ型のタイプの子が、風邪や疲労などをきっかけとして、嘔吐を繰り返し、血中にケトン体(アセトン)が多い状態になる病気です。
どんな子にかかりやすいの?
1歳半から10歳くらい、特に6歳未満のお子さんで、比較的やせ型のタイプの子に認められやすいです。
症状はなに?
嘔気、頻回の嘔吐、嘔吐による脱水症状、嘔吐によって低血糖症状を起こすこともあります。
きっかけはなに?
風邪や、イベント時の疲労などがきっかけになることがあります。特に、疲労のあまりに夕食をとらずに寝てしまって、翌朝、元気と食欲がなくなり、さらに進むと頭痛と腹痛を訴え、嘔吐が始まります。
診断は?
嘔吐がはじまった状況などを伺う問診と、尿中のケトン体を調べることでわかります。低血糖が疑われるときには、血糖値の測定も行います。
治療は?
ブドウ糖入りの点滴を行います。点滴を行うと、嘔吐が軽減し、食欲がもどり、適切な食事をとると回復します。
予防は?
自家中毒を起こしやすい子は、風邪や胃腸炎などで誘発される傾向にあります。疲労時に食事をとらないままに寝ることがないように、甘い水分などを少量ずつでもよいので飲ませると、症状がひどくならずにすみます。
嘔吐を繰り返す病気は他にもありますが、「自家中毒」もその一つです。
ご心配がありましたら、当院にご相談ください。
さくらキッズくりにっく
慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程修了、慶應義塾大学医学部 小児科、慶應義塾大学関連病院、慶應義塾一貫校校医、医療法人社団 育心会 理事長
医学博士、小児科専門医、小児科指導医