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こんにちは。さくらキッズくりにっくの心理士です。今回は「漢字のとめ・はね・はらいをどこまで注意すれば良いの?」ということについてとりあげます。
最近保護者の方からこの質問をよく頂きます。あまり注意しすぎても子どもがやる気を失くすし、かと言って間違って覚えたままにして良いのだろうか…と親御さんにとって悩みどころです。
とりわけ書取が嫌いなお子さんの親御さんにとっては悩みが深いでしょう。
それでは、ここでクイズです。どれが「×になる字」でしょうか?お子さんの漢字ドリルにこのような文字が書かれていたとき、どれを「×」としますか?
正解は…、
「全部〇」です。
文化庁から出されている「常用漢字表の字体・字形に関する指針」によると、これらはいずれも「問題のない書き方」とされています。このガイドラインには、「骨組みが読み取れ、その文字であると判別できれば誤りとしない」と書かれています。
つまり、「文字というのは情報伝達の手段であるから、読めれば良い」ということなのでしょう。
確かに、大人になってからは、乱筆で読めないメモを人に渡したら注意されるかもしれませんが、「この電話メモのこの漢字、下の部分がはねてないのは間違いだからさっさと書き直してきて!」と言われることはないでしょう。
「それなら読めればどんな風に書いても全部〇になるのか?」という疑問がここで湧いてきます。文化庁のガイドラインでは「しっかり書き分けないと誤りであると判断される字」や「誤りであると断じる必要はないものの、書き分けた方が良い字」についても言及されています。
例えば、「書き分けないと別の字になってしまうもの」です。「干」「于」、「矢」「失」、「土」「士」等がそれに当たります。一本多い、少ないといった点画の過不足についても「骨組みが変わる」と判断されるようです。
さくらキッズくりにっくでは、「誤りでない書き方」「書き分けた方が良い字」についてガイドラインを元に一覧表にまとめました。発達外来、もしくは受付で差し上げますので、ご希望の方はお声掛けください。お子さんの漢字ドリルに〇をつけるか×をつけるか迷ったときのご参考にして頂ければと思います。
ガイドラインの中に素敵な一文がありましたので、引用して結びとします。「手書き文字の字形に多様性を認めるのは、むしろ、漢字の文化に基づく考え方です。」「漢字の伝統や文化からすれば、同じ骨組みの中でいろいろな字形が生じるのは、自然なことなのです。」
※引用文献:文化庁「常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)」
慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程修了、慶應義塾大学医学部 小児科、慶應義塾大学関連病院、慶應義塾一貫校校医、医療法人社団 育心会 理事長
医学博士、小児科専門医、小児科指導医