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こんにちは、さくらキッズくりにっくの心理士です🌸
WISCシリーズ第2回目の今日は、「WISC-Ⅴを受けるメリット・デメリット」を現場の心理士の視点から取り上げます。なお、WISCシリーズの投稿スケジュールは以下の通りです。
①知能検査WISC-Ⅴの結果、どう見ればいい?ースコアの意味を解説ー ←4月29日投稿済み
②知能検査WISC-Ⅴを受けるメリット・デメリットは?←今回
③知能検査WISCのスコアは生涯変わらないの?(8月4日投稿)
〇WISC‐Ⅴで分かること、分からないことー知能検査にまつわるよくある誤解ー ←こちらは過去記事です。
①子どもの良いところ、得意なこと、強みが分かる
WISCでは、「言葉の理解」「図形を把握する力」「推論する力」「記憶する力」「作業スピード」など、能力を5つの側面に分けて評価します。
そのため、「絵を書くことが好きだと思っていたけれど、図形を把握する力がやっぱり強かった」など、お子さんの強みが分かります。
それは、親子にとって励みとなりますし、強みを活かした学習をしたり、進路を考えたりする上で大いに参考になります。
②困りごとの原因が見つかることがある
多くの親御さんは、子どもの苦手なことや、何ができないかは知っています。しかし、それがどんな認知能力に起因するのかまでは分からないのではないでしょうか?
例えば、「学校で先生に言われたことができない」場合、言語理解面が弱い場合もありますし、指示を覚えておく力(ワーキングメモリー)が弱い場合もあります。理解はしているのに作業が遅い(処理速度)場合もあります。
つまずきの原因が分からないと、子どもが怠けているように見えてしまったり、「どうしてできないの!」と叱ったりすることにつながりやすくなるのです。WISC-Ⅴを受けることでそれらの輪郭がはっきりとすることがあります。
いずれにも問題がなさそうなスコアが出た場合は、注意力や環境など、その他の面に問題がないかを見ていくことになります。
③支援の方向性を考えることができる
結果をもとに、困りごと・苦手なことを、強い力でどうカバーしていくか、支援の方向性や具体的手立てを考えることができます。
例えば、言語的に理解することは苦手だけれど、視覚的に理解することは得意である場合、イラストや写真を用いた手順表を使ったり、口頭で説明するのではなく手本を見せたりなど、支援のベースとなるヒントを得ることができます。
①我が子の知能指数を数値として知ることの心理的負荷
多くの親御さんにとって、我が子の知能指数を数値として知ることは心理的負荷が高いのではないでしょうか。
検査結果を返す際に、親御さんがとても緊張した表情でお見えになることも、私達現場の心理士はよく経験します。予想に反する結果で気持ちが揺れることもあるでしょう。
しかし、IQはそれで人生が決まってしまうわけでもなければ、幸福度とも関係ありません。また、スコアは検査実施時の心理状態やコンディションの影響も受けます。スコアに振り回されすぎないことも大切です。
②費用や時間がかかる
地域や施設によって異なりますが、「検査を受けたい」と思ってから予約が取れるまでに3~6か月くらいかかることが多いです。自費で受ける場合、一般的には2~5万円ほど負担になることが多いです。
③お子さんへの負担
WISC-Ⅴの実施時間は90分前後です。ゲーム感覚で楽しく取り組めるお子さんが多いですが、長時間の集中や着席に慣れていないお子さんにとっては大きな負担となります。
着席することが苦手なお子さんは、90分ほど落ち着いて着席していられるようになってからの受検が望ましいです。
④つまずきの原因が分からないこともある
以前こちら WISC‐Ⅴで分かること、分からないことー知能検査にまつわるよくある誤解ー |小児科 さくらキッズくりにっくのブログの記事でも書いていますが、WISCは何でも分かる万能な検査ではありません。
測っていない領域に困りごとの原因がある場合は、つまずきの原因が分からないこともあります。その場合は困りごとと照らし合わせながら、別の検査を実施することもあります。
WISC-Ⅴを受けるメリット・デメリットを現場の心理士の視点から整理してみました。
大切なのは、お子さんを評価することではなく、お子さんを立体的に理解することです。「なぜ困っていたのか」「なぜできなかったのか」「こんないいところがあった」「苦手な部分をこの強みでカバーすれば良い」…数値を前向きに捉え、活かすこと…WISC‐Ⅴはその仮説を与えてくれます。
次回のWISCシリーズでは、「知能検査のスコアは生涯変わらないの?」について取り上げます。8月4日に投稿予定です。
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滋賀医科大学医学部医学科 卒業、大津赤十字病院初期研修医、滋賀医科大学医学部付属病院 小児科、静岡県立こども病院 血液腫瘍科、聖マリアンナ医科大学病院 小児科助教
日本小児科学会 小児科専門医、日本血液学会認定 血液専門医、小児血液・がん学会、日本血栓止血学会